大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和44(さ)2 判決

主 文

原判決中、「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。右罰金を完納できな

い時は金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。」との部分を

破棄する。

本件公訴事実中入場税法違反の点について公訴を棄却する。

理 由

記録によれば、釧路地方裁判所帯広支部は、昭和四二年一一月九日、被告人Aに

対し、猥褻物陳列の事実および「被告人は、昭和四二年八月一七日、帯広市ab丁

目市有地において『公衆衛生と防犯展覧会』と題する興業を行つていたものである

が、同日の入場者約八四名を同興業場に入場させるに際し、入場券の半券を当該入

場者に返還しなかつた」との事実を認定し、前者の事実は刑法一七五条、罰金等臨

時措置法三条、二条に、後者の事実は入場税法二六条三号、一九条七項に該当する

ので、前者につき懲役刑を、後者につき罰金刑を選択し、刑法四五条前段、四八条

一項本文により両者の刑を併科するとしたほか、懲役刑の執行猶予につき同法二五

条一項、押収物の没収につき同法一九条一項一号、二項をそれぞれ適用して、「被

告人を懲役八月及び罰金五、〇〇〇円に処する。右罰金を完納できない時は金五〇

〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。本裁判確定の日から三年間

右懲役刑の執行を猶予する。押収にかかる昭和四二年押第二三号符号1ないし15

の物件中その猥褻部分を没収する。」旨の判決を宣告し、この判決は同年一一月二

五日確定したこと、および右入場税法違反の事実の起訴にあたり、国税犯則取締法

二〇条、同法施行規則一条一一号、同法一四条、一七条による国税局長又は税務署

長の告発を必要とするのに、その告発を経ていないこと、が認められる。

してみると、原裁判所は、右入場税法違反の事実につき、公訴提起の手続がその

規定に違反したため無効であるとして、刑訴法三三八条四号により判決をもつて公

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訴を棄却すべきであつたのに、有罪の裁判をしたものであつて、原判決は、この点

において法令に違反し、かつ、被告人のため不利益なものであることが明らかであ

る。本件非常上告は理由がある。

よつて刑訴法四五八条一号、三三八条四号により、裁判官全員一致の意見で主文

のとおり判決する。

検察官 八木胖 公判出席

昭和四四年一一月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 飯 村 義 美

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 関 根 小 郷

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